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普通と言うことばを意識し過ぎる日本人

日本メーカーのデザインはいつから格好悪くなったのか

 「日本メーカーのデザインは格好悪くないか」——。この2週間の間に、PCメーカー、テレビメーカー、自動車メーカーの関係者から、異口同音にそんな言葉を聞いた。

 それぞれの製品ジャンルは異なるが、共通しているのは、日本以外のアジアメーカーの製品に対するデザインの評価が高いという点だ。

 PCであれば台湾のアスースやエイサー、中国のレノボ、薄型テレビであれば韓国のLG電子。日本では未発売だが、韓国のサムスン電子の薄型テレビのデザインは、業界関係者の間では以前から評価が高い。そして、アジア勢ではないが、もちろん、米アップルのデザインの高評価は相変わらずだ。

 この裏返しが冒頭の言葉になる。

 確かに店頭に並んでいる日本メーカーの製品は、画一的なものが多い。アジアメーカーの製品に比べて、“クール”なイメージを受けるものは少ない。いつからこうなってしまったのだろうか。(略)
nikkei TRENDYnet 7月17日(火)11時28分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120717-00000004-trendy-ind

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普通と言うことばを意識し過ぎる日本人

なぜこのニュース記事に書かれている様なことが起こるのか?
それは失敗を恐れるあまりに「普通」と言うことばをあまりにも意識し過ぎた結果ではなかろうか。

さてその普通とは?
例えばですが、個性的なデザインは一般大衆にはウケないと言う観点から、なんとなく無難な線にデザインをまとめさせようとする。
仕方なくプロダクト・デザイナーは、普通と言うことばにあてはまるものを提出する。
このことこそが競争力の低下を生み、世界に通用する個性的なデザインに封印をさせている様に思います。

よくグラフィック・デザインをしていてもそうなのですが、こちらの善意の提案が却下になることがあります。
当然に「普通はこうである」と言うのが、普通から外れた案の却下の原因になります。
しかしながら、普通は・・普通は・・これを繰返して行くことで何ら個性のないものに仕上がります。

消費者が商品をみる目線は、あくまでもお茶の間目線です。
企業の企画者が考えるのは、商品を売ろうとする売り手側の目線です。
この二者には、とても大きな隔たりがあると思います。

ある商品のデザインに関して、私が提言させていただいたアイディアがあるのですが、それじゃ売れないと却下になりました。
その後その提案と酷似した商品が市場に流通しましたが、本当に売れなかったのでしょうか?
私が市場をみた限りにおいては、十分に売れている思うのですが、どうなんでしょうね。

ある本の表紙デザインも同様のことがありました。
抽象的な絵にして欲しいと言う依頼だったのですが、それでは逆に売れないと言う提言をさせてもらいました。
なぜなら抽象的な絵を購読者は望んでいないからです。
相手は、私の提言に快諾をした訳ではないのですが、現実としてはその本はヒットしました。
なんでもかんでも自分の主張が正しいとは申しませんが、商品の作り手側と購入者の目線には明らかに隔たりがあります。
そのギャップを埋めてやることが、商品の売り上げに繋がると筆者は確信します。